I
「こ」の濁音の仮名。 軟口蓋破裂音の有声子音と後舌の半狭母音とから成る音節。 現代共通語では, この音は主として語頭に用いられ, 語中・語尾では, その頭子音が軟口蓋鼻音となるのが一般である。 これを鼻濁音の「ご」といい, 必要に応じ「こ(コ)」に半濁点「°」を付けて示すことがある。
〔奈良時代までは上代特殊仮名遣いで甲乙二類の別があり, 発音上区別があったとされる〕
II
枯れて落ちた松葉。

「~をたいて手拭ひあぶる寒さかな/笈日記」

III
ご【五・伍】
数の名。 四より一つ多い数。 一〇の半分。 片手の指の数。 いつ。 いつつ。
IV
ご【午】
午(ウマ)の刻。 今の正午前後。

「三井寺や日は~にせまる若楓/新花摘」

V
ご【呉】
(1)中国, 春秋時代の列国の一((?-前473))。 長江下流域を領有。 楚(ソ)・越と抗争し中原進出をはかったが, 闔閭(コウリヨ)の子夫差(フサ)のとき, 越王勾践(コウセン)に滅ぼされた。
(2)三国時代の王朝の一(222-280)。 都は建業(今の南京)。 孫権が江南に樹立。 彼の死後衰え, 西晋の武帝に滅ぼされた。
(3)五代十国の一(902-937)。 淮南(ワイナン)節度使の楊行密が揚州を中心に樹立。 徐知誥(ジヨチコウ)に滅ぼされた。
(4)今の江蘇省のうち長江以南一帯の地名。
VI
ご【後】
あることが起こったのち。 あと。

「その~」「夕食~」

VII
ご【御】
※一※ (名)
〔「御前」の略か〕
婦人の敬称。

「伊勢の~もかくこそありけめ/源氏(総角)」

※二※ (接頭)
(1)主として漢語の名詞などに付いて, 尊敬の意を表す。

「~意見を尊重します」「~両親」「~家庭のみなさま」「~本」「~殿」

(2)動作を表す漢語に付く。 (ア)人の行為に対する尊敬の意を表す。

「~成人のあかつきには」「~帰国なさる」「~説明くださる」(イ)行為の及ぶ他人を敬って, 自分の行為をへりくだっていう。 「~案内申しあげる」「~招待いたします」「~紹介する」

(3)漢語の名詞に付いて, 丁寧・上品にいう。

「~飯」「~詠歌」「~馳走」

(御)
※三※ (接尾)
人物を表す名詞に付いて, 尊敬の意を添える。

「伯父~」「てて~」「めい~さま」

VIII
ご【期】
〔呉音〕
(1)とき。 おり。 時期。

「この~に及んで見苦しい振る舞いはしたくない」

(2)臨終の時。

「今は~を待つばかりなり/謡曲・土蜘蛛」

IX
ご【碁・棊・棋】
二人が相対し, 縦横一九路ずつの枡目を刻んだ盤上で黒石と白石を枡目の交点に交互に打ち合い, 囲った交点の数(地(ジ))と取った石の多さで勝負を争う遊戯。 中国におこった。 囲碁。

「~を打つ」

~に凝(コ)ると親の死に目に逢(ア)わぬ
碁は極めて重大なことでも忘れてしまうほど夢中になりやすいものである。
~に負けたら将棋(シヨウギ)に勝て
一方で失ったら, 他方で取り返せということ。
X
ご【語】
(1)ことば。

「~を次ぐ」

(2)単語。

「~の意味を調べる」

~を交(マジ)・える
言葉をかわす。
XI
ご【豆汁・豆油】
大豆を水に浸し, すりつぶした汁。 豆腐・豆乳の原料。 染色の色止めにも用いる。 ごじる。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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